2017年12月05日

2017年中超振返り

2017年中超リーグが終了。ざっとシーズンを振返り

・広州恒大7連覇

28節で貴州智誠に5−1で勝利し、2節残して7連覇決定。
夏にパウリーニョが退団し、主力の黄博文・梅方が負傷でシーズン絶望に、終盤には出場停止者続出ながら調子を落とすことなくゴールイン。今季限りで退任するルイス・フェリペ・スコラ―リは在任中リーグ3連覇と有終の美を飾った。一方でACL、カップ戦で上港に敗れた印象も強い。
後任には前監督のカンナバーロが決定。権健で多くの若手を抜擢した元バロンドーラーには結果だけでなく、育成も期待されている。
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2位上海上港は夏ごろに何度か並ぶチャンスを逃したこと、アウェイで勝ち点を落とし過ぎたことが悔やまれる。オスカルの8試合出場停止はじめ、監督や選手の出場停止が多く後半戦調子を落とした。
またフッキ、オスカルへの依存度が高く、特に前者の個人能力に疑いは無いがあまりに持ちすぎて、後半戦は彼が攻撃を停滞させる場面が多かった。かつ監督ビラスボアスはフッキへの依存を解消できなかった点が悔やまれ、彼が不調or抑えられたACL浦和戦は象徴的だった。(ビラスボアスはシーズン終了後辞任)

またACLで準決勝敗退、リーグ・カップ戦いずれも準優勝に終わった。残念ながら無冠に終わったが、過去未勝利だった恒大をACL,カップ戦で蹴落としたことは来年以降の戴冠に向けて大きな自信となっただろう。武磊はキャリアハイの20得点を記録、代表定着した王燊超、傅欢、贺惯ら下部組織出身者が台頭したのも朗報。


・ACL出場権

前述の広州恒大、上海上港に続く3位は天津権健昇格1年目にしてACL初出場を決めた。
当然ながら資金力があり、ベルギー代表ヴィツェル(Axel Witsel)元ブラジル代表アレシャンドレ・パト(Alexandre Pato)、夏にはケルンで大迫勇也の相棒だったフランス人モデスト(Anthony Modeste)、中国人選手も王永珀、孫可、趙旭日らを擁し、昇格組とは思えない戦力を有していた。

しかし最優秀監督賞を受賞したファビオ・カンナバーロ(Fabio Cannavaro)が評価されたのは、若手選手を積極登用しながら結果を残したこと。鄭達倫が6得点、劉奕鳴はCBでレギュラーなどU23選手の起用時間は全16チーム中2位(1位は河南)来年は広州恒大監督就任が確定しているが、マンネリ感ある恒大でも世代交代が期待される。(権健の次期監督には元ポルトガル代表パウロ・ソウザが就任決定済)
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残る1チームは足協杯を制した上海申花が2年連続出場。リーグ11位ながらカップ戦決勝で宿敵?上港とのダービーを制した勝負強さ。テべスの処遇など不安あるが、名門クラブの戦いぶりに期待。
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・残留争い


最終的には遼寧宏運、延辺富徳の2チームが降格。いずれも東北地方の比較的【貧乏】チームであり戦力的にも財力的にもやむなしの印象。しかし遼寧は90年に中国勢で初めてアジア制覇するなど歴史ある名門。延辺は土地柄朝鮮族主体で昨年昇格時旋風を巻き起こした。両者とも早い復活を期待したい。

昨年リーグ・カップともに準優勝と優勝候補に挙げられた江蘇蘇寧はまさかの大低迷で残留争いに巻き込まれるも、崔竜洙の後任監督ファビオ・カペッロ(Fabio Capello)、彼が獲得したカメルーン代表主将ムカンジョ(Benjamin Moukandjo)の活躍もあり難を逃れている。


・得点王争い


広州富力のザハウィ(Eran Zahavi)が27得点で初の得点王&この活躍が評価されリーグMVPも受賞。
セリエAでもプレー経験あるイスラエル代表主将は、目立ったフィジカルがあるわけでもないが、とにかく正確無比なシュートで得点を量産。広州富力の躍進に貢献した。
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2位にはグラル(Ricardo Goulart恒大)ラベッシ(Ezequiel Lavezzi河北)武磊(上港)の3人がいずれも20得点。
特筆すべきはラベッシ、得点だけでなく15アシストでアシスト王に。河北の全得点中6割超を生んだ計算になる。昨年鳴り物入りで加入も10試合0得点で後半は負傷でメンバー外になりながら2年目で爆発した。
ランキング上位は相変わらず外国人アタッカーの中に武磊が1人。キャリアハイの20得点を記録した。逆に上位20人で中国人は彼一人だけ、二桁得点記録したのも彼1人なのだが・・



・大物外国人たち&外国人枠削減の影響


世界最高給(約49億円)で上海申花に加入したカルロス・テべス(Carlos Tevez)、現時点で公式戦20試合4得点、チームはACLプレーオフ敗退、リーグは近年最悪の11位、ホーム虹口スタジアムではメンバー発表時背番号32にブーイングが浴びせられる状況になっている。申花にとって惨憺たるシーズンになっており、全てが彼の責任とはいえないが、投資金額的に致し方ないかもしれない。前述の同胞ラベッシのように2年目のリベンジを期待。

上海上港に加入したオスカル(Oscar)若く【現役バリバリ】だけあって圧倒的な技術、視野で上港の快進撃を導いた。しかし広州富力戦での非紳士的行為で8試合出場停止を食らってからパフォーマンスも評価も急落したのは残念。

既報の通り協会の規制策で過去に比べて所謂【爆買い】は大きく減った。2017年夏の移籍金総額は5844万€と昨年夏比75%減少した。
来年以降、以前のようにガンガン大物外国人が来ることは難しいと思われる。

また外国人枠の削減(1試合の出場3人まで)により、事実上AFC枠が削減されたことで、多くのAFC枠選手が出番を大幅に減らした。

例えば広州富力にいた張賢秀(Jang Hyunsoo)は昨年まで絶対的レギュラーであったが、今季は公式戦出場2試合で夏にFC東京へ復帰した。ウズベク代表のレギュラーCBクリメツ(Egor Krimets)昨年北京国安で28試合出場したが今季は5試合のみで、シーズン後退団している。
彼らのように多くのAFC枠代表クラスがベンチにすら入れない例が続出(このことが韓国代表の低調を招いた?)今オフには多くの流出が予測される。

例外は上海上港のウズベキスタン代表主将アフメドフ(Odil Ahmedov)。フッキ・オスカルに続く3人目をエウケソンから奪い、大きく評価を高めた。攻守に欠かせない存在となっている。

外国人枠削減でもなお外国人選手への依存度はなお高く、中超16チーム中、武磊擁する上海上港(47%)除く15チームは全得点中外国人得点率は過半数となった。特に江蘇、河南、延辺、遼寧といった残留争いのチームは70%超えと【外人様】依存度が高くなっている。

反面、今年はパウリーニョがバルセロナに高額で移籍し活躍している。【中超】からバルセロナへの移籍、という時点で画期的なこと。元々ブラジル代表主力の実力者とはいえ、中超の世界的ステータスがあがったとみてよいだろう。

・U23枠


開幕直前に導入されたU23枠(1994年以降生まれ選手を必ず1名先発・1名ベンチ入り)、
しかしデータ上は昨年のU23選手と比較して出場時間・人数(94→71人)共に減少している。
これはまず1993生まれが結構粒ぞろいだった点、また多くのクラブがU23枠選手を前半早い時間で交代させていた例が頻発していたためか。
ただ延辺、遼寧、江蘇蘇寧などU23枠選手を早々交代させていたチームは低迷し、主力として積極起用した天津権健、河北、富力、貴州智誠などが躍進したことは、若手を育てることの重要性を暗示していたかもしれない。

因みに2018年以降は更に強化され、外国人選手出場数はU23出場選手数を上回ってはならない方針になるといわれているが、現状は未定。しかし何かしらの大きなルール変革はあるだろう。


*なおU23選手のデータについて、Jリーグ・Kリーグと比較したデータがあったので参考まで
人数、時間、得点、いずれもJリーグが首位で、U23政策にも関わらず中超は最下位。
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J、Kと比べ外国人アタッカーに恵まれている、代表選手に国外組皆無などの事情はあれ、若手の機会という面では大きな差がある現実


・名監督たち

所謂【爆買いバブル】が落ち着き始めた中、選手でなく監督の力量の重要さを感じた。

テべス、グアリン、モレーノ、マルティンスらを擁しながら降格間際になった上海申花の元凶は指揮官グスタボ・ポジェ(シーズン中に辞任)にあることは否めない。テべスに固執してACLプレーオフを落とし、モレーノ・グアリン・曹赟定ら個人の力に依存したサッカーはグアリンの負傷とモレーノの疲労蓄積で夏場にリーグ戦5連敗で降格も見える事態になった。

一方昇格組の貴州智誠、2部でも中堅以下の戦力で昇格したのも驚きだったが、ダントツの降格候補が9位と躍進したのは、元クロアチア代表イェラビッチ(Nikola Jelavic)など選手の活躍もさることながら、名将マンサーノ(Gregorio Manzano)の手腕が大きいだろう。
長期的な底上げには指導者の育成が必要、彼らのような超一流指揮官の元で中国人指導者が育つことを期待

・懲戒の嵐

今季中超では毎試合のように、何かしらよう懲戒処分があり、通告は計92回、選手たちの出場停止累計247試合、罰金212万元(3640万円) 
第2節に上海申花の秦升(Qin Sheng)がヴィツェルを踏みつけ半年出場停止(になったのを皮切りに、前述オスカルの例は日本でも報じられたが、それに抗議・擁護した監督ビラスボアス、フッキ、武磊も各2試合ずつ出場停止になった。
北京国安のトルコ代表ブラク・イルマズ(Burak Yilmaz)も江蘇戦での報復行為で5試合出場停止。夏の退団の遠因と推測される。

選手だけでなく、恒大の優勝監督スコラ―リは審判抗議でベンチ入り禁止になり、優勝決定戦を指揮できなかった。同じ試合で相手の延辺監督パク・テハも処分を受けている。
このように無名の若手からオスカル、スコラ―リまで、今季はまさに懲戒の嵐だった。協会は近年ラフプレー、八百長といった【悪いイメージ】払拭に躍起になっているが、いちいち処分が重すぎじゃないかなと。恐怖政治になってきている。
posted by ZZ at 15:22| Comment(0) | 中超リーグ・ACL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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